現金出納帳の書き方(項目・摘要・科目の選び方と毎日の流れ)
現金出納帳(げんきんすいとうちょう)とは、事業で現金が出入りするたびに、日付・内容・入金額・出金額・残高を順に記録する帳簿です。書くのは日付・入金・出金・科目・摘要・残高が基本です。いちばん差が出るのは摘要で、あとから第三者が読んで分かるところまで書いておくと、月末の確認も税理士への受け渡しも楽になります。
1. 現金出納帳に書く項目
| 項目 | 書くこと | コツ |
|---|---|---|
| 日付 | 現金が動いた日 | レシートの日付。記帳した日ではありません |
| 入金/出金 | 入ったお金か、出たお金か | 1行にはどちらか一方だけ |
| 金額 | 税込の金額(1円単位) | レシートの合計をそのまま |
| 科目 | 何のお金か | 毎回同じ基準で選ぶ |
| 摘要 | 内容の説明 | 次の章 |
| 相手先・証憑番号 | 払った先、レシートに振った通し番号 | レシートの束と帳簿を結びつける |
| 残高 | 前の残高+入金−出金 | 出納ポンは自動で計算します |
2. 摘要の書き方
型は「何を(どんな物・サービス)+どこで/誰に+何のために」です。全部は要りません。半年後の自分が読んで、何のお金か思い出せれば足ります。
| 悪い例 | 良い例 | 直した点 |
|---|---|---|
| 雑費 | トイレットペーパー12ロール | 科目の名前を摘要に書かず、物を書く |
| 買い物 | コピー用紙A4 2箱 | 数量を入れる |
| 交通費 | 電車 京都→大阪 仕入先訪問 | 区間と目的 |
| 売上 | 10/27 レジ精算(現金売上) | どの売上かを分ける |
店名や会社名は、摘要に混ぜず相手先の欄に入れると、あとで相手先ごとに探せます。
3. 科目の選び方
出納ポンの既定の科目から、よく使うものを挙げます。迷ったときは「同じ種類の支払いはいつも同じ科目」と決めておくと、月ごとの比較ができます。
| 科目 | 使う場面 |
|---|---|
| 売上 | 商品・サービスの代金を現金で受け取った |
| 仕入 | 売るための物を現金で買った |
| 消耗品費 | 文具、洗剤、紙類など使うと減る物 |
| 旅費交通費 | 電車・バス・タクシー・駐車場 |
| 通信費 | 切手、宅配の送料、電話代 |
| 預け入れ(銀行へ)/引き出し(銀行から) | 現金を銀行に入れた、銀行から出した |
| 事業主貸/事業主借 | 個人事業で、事業の現金を個人の用に使った/個人のお金を事業に入れた |
| 雑費 | どれにも当てはまらない少額のもの。入れすぎない |
科目の線引きは税務上の判断にもつながるので、決めかねるものは税理士に確認してください。
4. 毎日の流れ
- その日のレシート・領収書を1か所に集める。
- レジの売上は、閉店後に「レジ精算」として1行で入金に記帳する。
- 出金はレシートごとに1行。レシートに証憑番号を書いておく。
- 入力が終わったら残高を見る。マイナスの日があれば、入金の記帳漏れか入力の向きの間違いを疑う。
- 週に1度、月末には必ず、手元の現金を数えて帳簿の残高と比べる(金種表と実査のやり方)。
5. 例: 小口現金の2日分
| 日付 | 摘要(科目) | 入金 | 出金 | 残高 |
|---|---|---|---|---|
| 10/27 | 前日からの繰越 | 20,000 | ||
| 10/27 | コピー用紙A4 2箱(消耗品費) | 3,980 | 16,020 | |
| 10/27 | 電車 京都→大阪 仕入先訪問(旅費交通費) | 1,160 | 14,860 | |
| 10/28 | 銀行から引き出し(引き出し) | 30,000 | 44,860 | |
| 10/28 | トイレットペーパーほか(消耗品費) | 2,468 | 42,392 | |
| 10/28 | 切手84円×10枚(通信費) | 840 | 41,552 |
残高は上から順に、20,000−3,980=16,020、16,020−1,160=14,860、14,860+30,000=44,860…と積み上がります。銀行から引き出した30,000円を記帳し忘れると、この日の残高が合わなくなります。
小口現金だけを分けて付ける考え方は小口現金の管理方法に、残高がマイナスになるときの調べ方は残高がマイナス・合わないときの原因と直し方にあります。
6. よくある間違い
| 間違い | 起きること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 記帳した日を日付に書く | 月をまたぐと月末の残高がずれる | 現金が動いた日を書く |
| 1週間分を1行にまとめる | あとで内訳を追えない | 出金は1件ずつ。売上のレジ精算は1日1行でよい |
| 入金と出金を逆に入れる | 残高がずれる、マイナスの日が出る | マイナスの日を見つけたら入力の向きを見直す |
| 銀行への預け入れ・引き出しを書かない | 現金が合わなくなる | 通帳の日付と照らして記帳する |
| 合わない差額を黙って直す | 入力漏れや不正が見えなくなる | 差額は「現金過不足」で記帳する(現金過不足とは) |
スタッフが自分のお金で立て替えた支払いは、会社の現金は動いていません。精算で現金を渡した日に出金として記帳します。科目の扱いは税理士に確認してください。
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この記事の信頼性 運営は店舗運営支援の個人事業「ここ企画」で、税理士ではありません。この記事は帳簿づけの一般的な考え方と出納ポンの仕様にもとづく実務の整理で、税務の判断を示すものではありません。法令の数字や保存の要件は、国税庁の一次情報で確かめてください(国税庁 タックスアンサー No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度、適格請求書発行事業者公表サイト)。最終確認日: 2026年10月31日。