金種表と実査のやり方(レジの釣銭準備金・差額の記録)
金種表とは、手元の現金を一万円札から一円玉までの種類(金種)ごとに枚数で書き出し、合計額を出す表です。実査とは、現金を実際に数えて、帳簿の残高と突き合わせて確かめることです。帳簿は入力した内容から計算した数字なので、実際の現金と突き合わせて初めて、合っていると言えます。頻度は、レジは毎日、小口現金や金庫は週1回、月末は必ず、が目安です。
1. 金種表の作り方
金種ごとに「枚数」を数え、「金種×枚数」を足します。最後に、小切手や商品券など現金以外のものがあれば別に書きます。
| 金種 | 枚数 | 金額 |
|---|---|---|
| 10,000円札 | 3 | 30,000 |
| 5,000円札 | 2 | 10,000 |
| 1,000円札 | 14 | 14,000 |
| 500円玉 | 6 | 3,000 |
| 100円玉 | 15 | 1,500 |
| 50円玉 | 4 | 200 |
| 10円玉 | 23 | 230 |
| 5円玉 | 6 | 30 |
| 1円玉 | 17 | 17 |
| 合計 | 58,977 |
2,000円札がある場合は、同じ書き方で行を足します。この合計58,977円を、同じ日の終わりの帳簿残高と比べます。
2. レジの釣銭準備金の考え方
釣銭準備金とは、レジで釣り銭として使うために、あらかじめ決めた金額でレジに入れておく現金のことです。毎朝同じ額を入れ、たとえば30,000円と決めておきます。売上の現金は、閉店後に数えた総額から釣銭準備金を引いて求められます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 閉店後にレジの現金を数えた合計 | 118,400円 |
| 釣銭準備金 | 30,000円 |
| その日の現金売上(数えた額) | 88,400円 |
| レジが示す現金売上 | 88,900円 |
| 差額(数えた額 − レジの額) | −500円 |
出納ポンでは、レジの帳簿を作るときの「その日の朝の残高(繰越)」に釣銭準備金を入れます。この−500円が、いわゆる「レジの違算」です。原因を調べても分からなければ、現金過不足として記録します(現金過不足とは)。釣銭準備金は毎日同じ額に戻す、準備金の額を変えたときは記録を残す、の2点を決めておくと、数え間違いと混同しません。
レジ締めの流れ全体はレジ締めと現金出納帳のつなぎ方に、小口現金の補給と照合は小口現金の管理方法にまとめています。
3. 実査の頻度の目安
| 対象 | 頻度の目安 | 理由 |
|---|---|---|
| レジ | 毎日(閉店時) | 現金の出入りが多く、差額の原因をその日のうちにたどれる |
| 小口現金・金庫 | 週1回 | 動きが少なくても、置きっぱなしにしない |
| すべての帳簿 | 月末(締める前に必ず) | 締めた月の残高の裏付けになる |
これは運用のための目安で、法律で決まった頻度ではありません。店の規模と人の入れ替わりに合わせて決めてください。
4. 実査の手順(1回分)
- その日の入金・出金の記帳を済ませる。レシートの束と帳簿の件数が合っているか見る。
- 帳簿の残高を見て、「あるはずの金額」を先に確認する。先に見ると数え間違いに気づきやすくなります。
- 現金を金種ごとに数え、金種表に枚数を書く。
- 合計を出して、帳簿の残高と比べる。
- 差額があれば、数え直し → 入力の確認 → 記帳漏れの順に調べる。
- 結果を記録する。差額が残る場合は、メモに調べたことを書く。
両替は、同じ金額のお金が別の金種に変わるだけなので、金種表の合計は変わりません。ただし、レジと金庫のあいだで両替したときは、片方から出てもう片方に入るので、帳簿間の移動として両側に記帳します。
5. 数え方のコツ
- 数えるのは、その日の取引の記帳を終えてから。入力前に数えると、差額の意味が変わります。
- 金額が大きい日や、差額が続いている時期は、2人で数える。数えた人の名前を記録に残します。
- 札は向きをそろえて10枚ずつ、硬貨は10枚ずつ積むと、枚数を間違えにくくなります。
- 数え直すときは、前の数字を見ずに最初から数えます。
6. 差額の記録
残すのは、実査した日、数えた人、金種ごとの枚数、実際の現金の合計、帳簿残高、差額、メモ(心当たり)です。差額が0の日も記録します。「いつも合っている」記録が、帳簿への信頼になります。
7. 出納ポンで現金出納帳の残高と金種表を突き合わせる
「実査」を開き、実査した日を選び、金種ごとの枚数を入れます。小切手や商品券などは「その他」に金額とメモを入れられます。その日の終わりの帳簿残高との差額が表示され、0なら「合」の印が出ます。実査の記録は履歴に残り、月ごとの「締め」の画面にも差額が出ます。出納ポンは差額を自動では記帳しません。確かめたうえで、必要な分だけ現金過不足として記帳します。
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この記事の信頼性 運営は店舗運営支援の個人事業「ここ企画」で、税理士ではありません。この記事は帳簿づけの一般的な考え方と出納ポンの仕様にもとづく実務の整理で、税務の判断を示すものではありません。法令の数字や保存の要件は、国税庁の一次情報で確かめてください(国税庁 タックスアンサー No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度、適格請求書発行事業者公表サイト)。最終確認日: 2026年10月31日。