出納ポン

現金出納帳の科目と仕訳の例(店舗・飲食・サロンでよくある取引24)

最終確認日: 2026年11月2日 運営: ここ企画

科目とは、お金の出入りが「何のためだったか」を分類するための名前のことです。現金出納帳では、入金か出金かに加えて、売上・仕入・消耗品費などの科目を付けておくと、月末にどの種類にいくら動いたかが見えます。この記事では、店舗・飲食・サロンでよくある現金の取引24件を、入出金の向き・科目・税区分の目安とあわせて表にしました。いずれも一般的な例です。迷ったときは、税理士に確認してください。

1. 科目と「仕訳」の考え方

現金出納帳には、日付・摘要・入金・出金・残高を書きます。このうち科目は、その入出金の「相手側」にあたる分類です。会計ソフトでいう仕訳(現金と相手科目の組)の、相手科目のほうを現金出納帳の1行に付けておく、と考えると分かりやすくなります。

決めておくと迷いが減る、3つの見方があります。

摘要の書き方は現金出納帳の書き方にまとめています。

2. 収入の例

売上や、その取り消しです。現金で受け取った分だけを、入金で記帳します。

取引の例入出金科目税区分の目安ひとこと
レジ精算の売上
摘要: 11/2 レジ精算(現金分)
入金売上10%店内飲食は10%、持ち帰りの食品は軽減8%。レジの区分に合わせる
お客さまへの返金
摘要: 11/2 返金(返品)/お客さま
出金雑費10%出金には売上を選べない。返品の整理は税理士に確認

3. 仕入・経費の例

現金で払った仕入や経費は、出金で記帳します。税区分は「一般に」の目安で、実際のレシートの表示を優先してください。

取引の例入出金科目税区分の目安ひとこと
食品の仕入(軽減8%)
摘要: 11/2 野菜・精肉の仕入/〇〇青果
出金仕入軽減8%飲食料品は一般に軽減8%。酒類は含まれない
酒類の仕入(10%)
摘要: 11/2 ビール・ワインの仕入/〇〇酒店
出金仕入10%酒類は軽減の対象外で、一般に10%
宅配便の送料
摘要: 11/2 宅配便の送料/〇〇運輸
出金通信費10%荷造運賃を使う店もある。決めた科目を続ける
切手を買う
摘要: 11/2 切手 84円×10枚/郵便局
出金通信費非課税切手・はがきは一般に非課税。使った分で処理する方法もある
収入印紙を買う
摘要: 11/2 収入印紙 200円/郵便局
出金支払手数料非課税一般に非課税。租税公課の科目にする店もある
出先の駐車場代
摘要: 11/2 仕入れ先の駐車場/〇〇パーキング
出金旅費交通費10%仕事で使った分。月極なら地代家賃にする方法もある
電車代
摘要: 11/2 電車代 銀行まで往復
出金旅費交通費10%仕事の移動だけを記帳する。インボイスの扱いは税理士に確認
文房具を買う
摘要: 11/2 ペン・ノート・ガムテープ/〇〇文具店
出金消耗品費10%少額の備品。1個10万円以上は備品の扱いを確認
チラシの印刷
摘要: 11/2 チラシ印刷 500枚/〇〇印刷
出金広告宣伝費10%不特定多数に配るので広告宣伝費
外注の清掃
摘要: 11/2 エアコン清掃/〇〇クリーニング
出金外注費10%業者に頼んだ作業。自店の従業員への支払ではない
家賃を現金で払う
摘要: 11/2 11月分家賃/〇〇不動産
出金地代家賃10%事業用の建物は一般に10%。住宅は非課税
電気代の現金払い
摘要: 11/2 10月分電気代/〇〇電力
出金水道光熱費10%自宅兼店舗は事業分だけを経費にする
振込手数料
摘要: 11/2 振込手数料/〇〇銀行
出金支払手数料10%銀行の手数料は一般に10%

4. 銀行・移動の例

現金の置き場所が変わるだけで、売上でも経費でもありません。税区分は対象外です。

取引の例入出金科目税区分の目安ひとこと
両替(帳簿のあいだ)
摘要: 11/2 レジと金庫で千円札と硬貨を両替
移動(出金と入金の組)帳簿間の移動対象外帳簿が1つだけなら残高は変わらない。別の帳簿との両替は移動で記帳
銀行へ預け入れ
摘要: 11/2 売上金を預け入れ/〇〇銀行
出金預け入れ(銀行へ)対象外現金は減るが経費ではない
銀行から小口へ補充
摘要: 11/2 小口現金の補充/〇〇銀行
入金引き出し(銀行から)対象外現金が増えるが収入ではない
レジから金庫へ移す
摘要: 11/2 レジ→金庫 売上の一部
移動(出金と入金の組)帳簿間の移動対象外出金と入金が組になる。科目別の集計には入らない

5. 事業主・過不足の例

店主個人とのお金のやりとりと、帳簿と現金の差額です。税区分は対象外です。

取引の例入出金科目税区分の目安ひとこと
店主が私用で持ち出し
摘要: 11/2 私用で持ち出し
出金事業主貸対象外個人事業の場合。経費にはならない
店主が私費で補填
摘要: 11/2 レジ不足を私費で補填
入金事業主借対象外個人事業の場合。店の現金が増えるが売上ではない
現金過不足(入金)
摘要: 11/2 実査差額 現金が多い 原因不明
入金現金過不足対象外調べても分からない分だけ。摘要に調べたことを残す
現金過不足(出金)
摘要: 11/2 実査差額 現金が少ない 原因不明
出金現金過不足対象外帳簿を黙って直さず、差額として記帳する
釣銭準備金を用意する
摘要: 11/2 釣銭準備金 30,000円
入金事業主借対象外開業時の例。帳簿を作る日の繰越に入れる方法もある

6. レシートに10%と8%が混ざるとき

1枚のレシートに、10%の品物と軽減8%の品物が一緒に載ることがあります。このときは、税率ごとに分けて、2行で記帳する方法が分かりやすく、あとで内訳を出すときも迷いません。合計1,640円(税込)のレシートの例です。

明細税区分金額(税込)うち消費税の目安
洗剤10%1,100100
飲料軽減8%54040
合計1,640140

この例では、洗剤は消耗品費・10%、飲料は消耗品費・軽減8%の2行になります(飲料を仕入として扱うかどうかは、事業の内容によります)。消費税の欄は、税込の金額から1,100×10/110、540×8/108で求めた計算の目安です。端数の処理や申告での扱いは、税理士に確認してください。レシートに税率ごとの合計が印字されていれば、その金額に合わせます。

7. 迷いやすい組み合わせ

どちらの科目でも間違いとは限らない組み合わせです。大切なのは、同じ種類の支払には同じ科目を続けることです。月ごとに科目が変わると、集計が比べられなくなります。

組み合わせ分け方の目安(一般的な例)確認すること
消耗品費と工具器具備品1個(1組)が10万円未満の道具や備品は消耗品費、高額なものは備品(固定資産)として扱うのが一般的です。高額な備品は、減価償却や特例の扱いがあるので税理士に確認
接待交際費と会議費と福利厚生費取引先をもてなす飲食は接待交際費、打ち合わせにともなう少額の飲食は会議費、従業員向けの食事や慰労は福利厚生費とする例が多いです。金額の線引きや、法人・個人事業での扱いの違いは税理士に確認
広告宣伝費と接待交際費不特定多数に配るチラシや試供品は広告宣伝費、特定の相手への贈り物は接待交際費とする例が多いです。景品や贈答品の扱いは内容による
事業主貸・事業主借と経費店のお金を私用に使ったら事業主貸、私費を店に入れたら事業主借です。私用の買い物を、経費の科目に入れないようにします。個人事業の科目です。法人は役員貸付金・役員借入金など別の科目を使う
仕入と消耗品費売るために買う商品・材料は仕入、店で使うものは消耗品費です。お客さまに渡す容器・袋などの扱いは事業による
自宅と店が同じ建物家賃・電気代・通信費は、事業で使う分だけを経費にします。事業分の割合の決め方は、税理士に確認

8. 既定の科目19件の一覧

出納ポンの帳簿に最初から入っている科目です。科目は設定で足したり名前を変えたりできるので、店の言葉に合わせて使ってください。

科目入れるもの摘要の例税区分の目安迷いやすい点
売上商品やサービスを売って、現金で受け取ったお金レジ精算(現金分)、ランチの現金売上、カット・カラーの施術代、物販の売上、持ち帰り弁当の代金一般に10%。持ち帰りの食品などは軽減8%現金で受け取った分だけを記帳する
雑収入本業の売上ではない、臨時の少額の収入古紙・空き箱の売却、自販機の設置手数料、不用品の売却、取引先からの協賛金一般に10%。内容により不課税のこともある毎回出てくる収入は、別の科目にすると見やすい
仕入売るために買う商品・材料の代金食材・野菜の仕入、ドリンク・酒類の仕入、ヘアカラー剤の仕入、雑貨の仕入、卸市場での買い出し一般に食品は軽減8%、酒類は10%洗剤や備品は仕入ではなく消耗品費になる
旅費交通費仕事のための移動にかかった交通費電車・バス代、仕入れに行くタクシー代、高速道路料金、駐車場代(出先)一般に10%。インボイスの扱いは税理士に確認ガソリン代は車両費など別の科目にする店もある
通信費郵便・宅配便・電話・ネットなど、連絡にかかる費用切手・はがき、宅配便の送料、電話料金(現金払い)、ネット回線の料金切手・はがきは一般に非課税、宅配便は10%宅配便は荷造運賃とする店もある
消耗品費使うとなくなる、少額の事務用品・日用品コピー用紙、レジロール紙、洗剤・ゴミ袋、電球、文房具一般に10%。飲料などの食品は軽減8%一般に10万円未満が目安。高額なものは備品を確認
広告宣伝費お店や商品を知ってもらうための費用チラシの印刷、ポスティング代、看板・のぼりの制作、SNS広告の費用、ポイントカードの作成一般に10%不特定多数向けは広告宣伝費、特定の相手は交際費
接待交際費取引先など特定の相手との付き合いにかかる費用取引先との飲食、お中元・お歳暮、祝い金・香典、取引先への手土産一般に10%。祝い金・香典は不課税、食品の手土産は8%飲食は会議費・福利厚生費との区別を確認する
外注費自店の従業員ではない人・会社に仕事を頼んだ代金清掃業者への支払、デザインの外注、設備の修理業者、撮影・ライティング、配達の委託一般に10%。請求書の登録番号の有無は別に確認従業員への給与は外注費ではない
地代家賃店舗・事務所・駐車場などの賃借料店舗の家賃、事務所の家賃、共益費、月極駐車場の料金事業用の建物は一般に10%、住宅は非課税自宅兼店舗は、事業で使う分だけを経費にする
水道光熱費電気・ガス・水道の料金電気代、ガス代、水道代、プロパンガスの代金電気・ガス・水道とも一般に10%自宅兼店舗は、事業で使う分だけを経費にする
支払手数料サービスの利用や手続きのために払う手数料銀行の振込手数料、代引き手数料、決済サービスの手数料、収入印紙振込手数料は一般に10%、収入印紙は非課税収入印紙は租税公課の科目にする店もある
雑費どの科目にも当てはまらない、少額の支払ごみ処理券・粗大ごみ代、少額の会費、ハンコ・名札の代金、科目に迷う少額の支払一般に10%。内容により変わる雑費が多いときは、よく出る内容を科目に分ける
預け入れ(銀行へ)現金を銀行口座に入れた記録(経費ではない)売上金を口座に入金、ATMでの入金、夜間金庫への預け入れ、大口の現金を口座へ対象外。税区分は関係しない現金帳簿では出金。通帳側では入金になる
引き出し(銀行から)銀行口座から現金を出した記録(経費ではない)釣銭の準備、小口現金の補充、仕入れ用の現金、ATMでの出金対象外。税区分は関係しないATM手数料は、別に支払手数料で記帳する
事業主貸店のお金を、店主が私用に使った分(個人事業)店の現金で私用の買い物、生活費としての持ち出し、自宅用の日用品、私用の食事代対象外。経費にはならない個人事業の科目。法人は役員貸付金などを使う
事業主借店主が私財を店に入れた分(個人事業)レジの不足を私費で補填、釣銭準備金を私費で用意、開業時に現金を店に入れる、私費で立て替えた分の入金対象外。立て替えた経費は、経費側で税区分を決める個人事業の科目。法人は役員借入金などを使う
現金過不足帳簿と実際の現金の差額を、原因が分かるまで置く科目実査での数え違いの差額、レジの違算(原因不明)、釣銭の渡し間違いと思われる差対象外。原因が分かれば正しい科目に直す調べても分からない分だけを記帳する
帳簿間の移動レジ・小口現金・金庫など、帳簿のあいだで現金を動かす記録レジから金庫へ売上を移す、金庫から小口現金へ補充、小口から釣銭を用意、店舗間の現金の移動対象外。移動元の出金と移動先の入金が組になる片側だけ記帳すると、両方の残高が合わなくなる

9. 出納ポンでの記帳

  1. 記帳の画面で、入金か出金かを選ぶ。
  2. 科目を選ぶ。出金には経費や事業主貸・借などの科目、入金には売上や雑収入などの科目が出ます。
  3. 消費税を使う設定のときは、税区分を選ぶ。科目ごとの既定の税区分が入るので、違うときだけ直します。
  4. 銀行への預け入れ・引き出しは、専用の科目で記帳する。レジから金庫への移動は「移動」を選び、移動先の帳簿を指定する。

両替・銀行・移動の記帳は使い方に、差額が出たときは現金過不足とはにあります。

この記事の信頼性 運営は店舗運営支援の個人事業「ここ企画」で、税理士ではありません。科目の区分と消費税の扱いは、事業の状況(個人か法人か、課税事業者か、インボイスの登録など)で変わるので、迷うものは税理士に確認してください。この記事の表は一般的な例で、税務の判断を示すものではありません。法令の数字は、国税庁の一次情報で確かめてください(国税庁 消費税の軽減税率制度・インボイス制度、適格請求書発行事業者公表サイト)。最終確認日: 2026年11月2日。

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