複数店舗の現金管理(帳簿の分け方・締め・本社への報告)
店が複数になると、現金の置き場所が増え、どこで差が出たのかが分かりにくくなります。土台は、店ごと・置き場所ごとに帳簿を分け、責任者と確認者を分け、締めの日をそろえることです。月次締めとは、月末に帳簿の残高と実際の現金を確かめ、その月の記帳を確定して、次の月へ繰り越す作業です。この作業を全店で同じ日にそろえると、本社や税理士が数字を見比べやすくなります。
1. 店ごとに帳簿を分ける理由
複数の店の現金を1冊の帳簿にまとめて付けると、残高が合わないときに、どの店のどの現金が原因なのかを探すところから始めなければなりません。売上の入金と経費の出金が店ごとに混ざるので、店別の入金と出金を見分けたいときにも手間がかかります。
帳簿を店ごと、さらに現金の置き場所ごとに分けると、差が出た場所がすぐ絞れます。担当者が替わったときも、責任の範囲が帳簿の単位で分かれているので、引き継ぎがしやすくなります。「店別に見る」ために、あとで集計を分けるのではなく、最初から入力を分けておくのが基本です。
2. 1店あたりの帳簿の切り方と、冊数の数え方
1店あたりの帳簿は、現金の置き場所の数で数えます。典型的には、レジ(釣銭準備金と当日の売上)と小口現金(少額の支払い)の2冊で、売上の現金をためておく金庫があれば、さらに1冊です。本社が補給元の金庫を持つ場合は、本社の分も1冊に数えます。3店舗で、各店がレジと小口現金、本社が金庫を1つ持つ例です。
| 拠点 | レジ | 小口現金 | 金庫 | 帳簿の冊数 |
|---|---|---|---|---|
| A店 | 1 | 1 | 0 | 2 |
| B店 | 1 | 1 | 0 | 2 |
| C店 | 1 | 1 | 0 | 2 |
| 本社 | 0 | 0 | 1 | 1 |
| 合計 | 3 | 3 | 1 | 7 |
この例では7冊になります。出納ポンの帳簿の冊数は、無料が1冊、Proが3冊まで、ビジネスが無制限です。帳簿の冊数を数えるときは、まず「現金が置いてある場所」を書き出してみてください。小口現金は店の規模が小さければ、レジの帳簿にまとめず、別の帳簿に分けておいたほうが、差が出たときに原因を絞りやすくなります。小口現金の考え方は小口現金の管理方法にあります。
3. 責任者と確認者を分ける
現金を扱う人と、帳簿を確かめる人が同じだと、間違いや不正に気づけません。人数の少ない店でも、次の3つの役割は、できるだけ別の人にします。
- 記帳する人: 毎日の売上や支払いを帳簿に付ける。
- 実査する人: 現金を数えて、金種表に枚数を書く。記帳する人と別の人が望ましい。
- 確認する人: 月末に、実査の記録、差額の扱い、帳簿の残高を見て、締めてよいかを判断する。店長やオーナー、本社の担当者など。
店が1人で回っているときは、翌日に別の人(オーナーなど)が実査の記録だけでも確かめるようにします。差額が出た日の記録には、数えた人の名前と調べたことを残します。出納ポンの記帳には、担当者の欄があります。
4. 締めの頻度と日付をそろえる
店ごとに締める日がばらばらだと、本社が月次の数字をまとめられません。次のように、全店で同じルールを決めます。
- レジの実査: 毎日、閉店後。
- 小口現金・金庫の実査: 週1回、同じ曜日に。
- 月次の締め: 月末の営業終了後に実査し、翌月の決めた日(たとえば翌月5営業日)までに、全店が締める。
締めた月は、取引を編集・削除・追加できなくなります。間違いが見つかったときは、締めを解いて直し、締め直します。解除には理由が必要で、日時とともに履歴に残ります。古い月から順に締め、新しい月から順に解きます。手順は現金出納帳の月末の締め方にあります。レジ締めと帳簿のつなぎ方はレジ締めと現金出納帳のつなぎ方です。
5. 本社・税理士への渡し方
出納ポンは、複数の人が同時に同じ帳簿を編集することはできません。データはブラウザごとに別で、共有はファイルの受け渡しで行います。この前提で、運用の形は2つに分かれます。
- 1か所でまとめて入力する: オーナーや本社の担当者が、1台のブラウザで全店の帳簿を付ける。各店からは、レシートや売上の報告を受け取る。入力する人と端末が1つなので、食い違いが起きません。
- 店ごとの端末で付けて、締めたあとにファイルで渡す: 各店が自分の端末で付け、月を締めたあとに、Excel・CSV・印刷を本社へ送る。本社は、受け取ったファイルで内容を確かめます。
どちらの形でも、同じ帳簿を2台で別々に入力しないことが大切です。入力する場所を1つに決めてください。税理士には、Excel(出納帳・科目別集計・実査の記録)、CSV、A4の印刷、会計ソフト向けの仕訳CSVを渡せます。集計と仕訳CSVは、すべての帳簿をまとめて出すこともできます。受け取りたい形式は税理士によって違うので、先に確認してください。
6. 無料で始めて、足りなくなったとき
まずは1店舗のレジの帳簿1冊を、無料で付けてみるのがおすすめです。無料は帳簿1冊・月100件までで、登録も要りません。毎日の記帳が、たとえば売上1件と経費・両替が約2件なら、1店で1か月に約90件(3×30日)です。同じ規模の店が3つなら約270件で、月100件を超えます。
店や置き場所が増えて、帳簿の冊数や記帳件数が足りなくなったときは、Pro(帳簿3冊まで、月480円)またはビジネス(帳簿数無制限、月980円)があります。金額はいずれも税込です。機能はどのプランも同じで、違いは帳簿の冊数と1か月の記帳件数だけです。無料の範囲を超えても、閲覧・出力・バックアップ・実査・月次の締めは止めません(料金プラン)。
7. よくある質問
店舗が増えたら、帳簿はどう増やしますか?
店とレジ・小口現金・金庫など、現金の置き場所ごとに帳簿を1冊ずつ作ります。無料は1冊、Proは3冊まで、ビジネスは無制限です。帳簿間のお金の移動は、「移動」で選ぶと出金と入金が両方の帳簿に記帳されます。
本社が全店の現金を見るには?
本社で全店の帳簿を付ける形なら、1台のブラウザで見られます。各店が自分の端末で付ける形なら、締めたあとにExcel・CSV・印刷のファイルを本社へ送ってもらいます。出納ポンは、複数の人が同時に同じ帳簿を編集することはできません。
同じ帳簿を2人で入力できますか?
できません。データはブラウザごとに別で、同時に編集する機能はありません。入力する人と端末を1つに決め、共有はバックアップや出力のファイルで行ってください。
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この記事の信頼性 運営は店舗運営支援の個人事業「ここ企画」で、税理士ではありません。この記事は帳簿づけの一般的な考え方と出納ポンの仕様にもとづく実務の整理で、税務の判断を示すものではありません。法令の数字や保存の要件は、国税庁の一次情報で確かめてください(国税庁 タックスアンサー No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度、適格請求書発行事業者公表サイト)。最終確認日: 2026年10月31日。